富山のヒマワリの写真

　8月初旬、氷見漁港に近い空き地に盛夏の花ともいえる6万本のひまわりが咲きそろった。満開となったひまわり畑で開花祭りが行われ、訪れた多くの家族連れや観光客の中で、4月の畑つくりから手がけてきた“ひまわり大作戦”実行委員長の細川好昭さん（30歳）の喜びはひとしおであった。

　そもそも、ひまわりを海岸の空き地で植え育てる“ひまわり大作戦”プロジェクトは、昨年に始まる。世の中の不況感からくる湿りがちな街を活性化したいと細川さんたち氷見青年会議所の若者たちが企画したもの。日（太陽）を追って廻る花の意味が由来の“ひまわり”から元気な街造りのイメージにふさわしいことがきっかけとなった。「最初は、大げさな話ではなかったけど、乗り気ですかね」と笑う細川さん。

　氷見市の人口の6万本を植える目標から、各種の団体や自治会に呼びかけ、春からの畑つくりからはじまったのは4月末。蒔いたばかりの種を取りに獲られたり、海岸のやせた土地であるがゆえの肥料やりと悪戦苦闘の日々であったという。

　市街地で精肉屋「本町牛勝」の2代目である細川さん、往時は家業そっちのけのこともあったとか。そんな細川さんたち若者のひたむきな努力に町の人たちの支援活動も高まった。開花祭の日、若者たちがやり遂げた満足感に酔いしれたのは言うまでもない。今年は、更に多くのサポーターたちが協力し1ヘクタールの畑一杯にひまわりの種が蒔かれた。今年の天候不順で開花が懸念されたが、昨年に増して大きな日輪の花が咲き誇った。

　畑のあちこちで、親子・家族の語らいがあり、歓声が上がる。自然を愛する心や皆で創る喜び感動を共有したいと願う細川さんたち若者の明るく元気な街づくりは向日葵のようにみごとに開花したようだ。秋には、収穫した種の配布や精油作業とまだまだ若者たちの熱い活動が続けられる。